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2026/1/21公開「サラブレッドの最新遺伝学Part3『遺伝的多型と近親交配』とPart4『近親交配の影響』」を視聴しながら、私なりに理解した内容を整理してまとめています。
思考整理
- 最近の研究結果からは、近交係数(インブリードの濃さ)そのものの高さというより、“直近世代でどれだけ急激にインブリードが進んでいるか”が重要であることが示されています。実際、急速に近交度が上昇しているサラブレッドでは、未出走率の増加やレースパフォーマンス低下など、負の影響との関連が報告されています。
- 特に印象的だったのは、「近交係数が高い=必ず問題」というわけではない、という点です。長い年月をかけて安定的に選抜されてきた血統と、短期間で急激に近交化が進んだケースでは、同じ近交係数でも意味合いが異なるという考え方は、とても興味深く感じました。
- サラブレッドは、限られた集団の中で世代を重ねていく“クローズドスタッドブック”という構造上、近親交配そのものを完全に避けることは難しい品種です。その中で、「望ましい遺伝子の頻度を高めること」と、「好ましくない遺伝子を少しずつ減らしていくこと」を、長い時間をかけて安定的に積み重ねていく必要があるのだと思います。
- 血統表を見る時も、単純な“インブリードの濃さ”だけではなく、「どのような過程で積み重ねられてきた血なのか(直近世代で急激なインブリードはないか)」という視点を持つことで、また違った見え方ができるのかもしれません。

とても勉強になる内容だったので、少しでも興味が湧いた方は、ぜひ元動画も視聴してみてください。
研究ノート
サラブレッドの近親交配の基本知識

サラブレッドの近親交配の影響

スライドだけでは分かりづらい部分もあると思ったため、簡単にメモも残しておきます
近年のサラブレッドでは、一部の人気種牡馬が非常に集中して使われてきた影響もあり、他品種と比べて遺伝的多様性が低下していると考えられています。そして実際に、近交係数と競走能力の関係を調べた研究では、近交係数が高くなるほどレースパフォーマンスが低下する傾向が統計的に示されています。つまり、「近親交配が進みすぎると競走能力に悪影響が出る可能性がある」ということです。
ただ、この話はもう少し複雑です。
最近では「祖先史係数(AHC)」という新しい指標も研究されています。
これは単純な近交係数とは違い、「特定の祖先が血統表に何回登場しているか」に注目した考え方です。つまり、“どれだけ繰り返し選抜されてきた血なのか”を見る指標と言えます。興味深いことに、このAHCを用いた研究では、獲得賞金が多い馬ほど、血統表の奥にいる特定祖先の登場回数が多い傾向が確認されました。
これは、長い時間をかけて望ましい遺伝子が蓄積され、有害な遺伝子が淘汰されてきた結果とも考えられています。
ここまでで一瞬矛盾を感じるかもしれませんが、「近交係数の高さ」ではなく、「近交係数の上昇速度」がポイントと考えてもらえると理解が進むと思います。つまり、「近交係数が高い=悪」と単純には言えないんですね。
重要なのは、“最近になって急激に近親交配が進んでいるかどうか”であって、長い年月をかけて安定的に選抜されてきた血統と、短期間で急激に近交化が進んだケースでは、意味合いがかなり違うということです。
実際、急激な近交度の上昇については、
- 妊娠中〜後期の流産増加
- 未出走馬割合の増加
- レースパフォーマンス低下
- 単純遺伝疾患の発現
などの負の影響も報告されています。

